士業の議論・考察

[議論/考察]法務局や市区町村、司法書士業務のルールやマナーについて話してみた

議論15:ルールとマナー

不動産登記申請をする時には、役所で発行される住民票や評価証明書が添付書類になる時があります。役所で発行される書類は、依頼者や仲介業者が準備してくれることもありますが、司法書士が依頼者から委任されて取得することもあります。

また、司法書士のメイン業務となる登記申請書は法務局へ提出します。

今回は、司法書士が関わることが多い市区町村役場と法務局、そして司法書士業務をする際の、それぞれのルールやマナーについて話し合った内容をご紹介します!

4人の先生
4人の先生
話してみるまで知らなかったこともあり、なかなか興味深い話し合いができました

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市区町村役場

戸籍等謄抄本

戸籍(除籍/改製原戸籍)謄抄本(以下、戸籍等)は、本籍のある市区町村役場で取得します。窓口で取得するとこも出来ますし、郵送で取得することもできます。

誠実先生
誠実先生
郵送する場合の送り先は、自治体によって市区町村役場であったり、発行事務を専門にしているセンターであったりしますね。

司法書士や税理士は、職権で戸籍等を取得することができます(これを「職務上請求」といいます)。職務上請求で戸籍等を郵送取得する際には、「職務上請求書」「定額小為替」「返信用封筒」を同封して郵送します。

情報屋先生
情報屋先生
自治体によっては、司法書士や税理士の会員証のコピーを同封するように求められますね。また「申請者(ex.相続人)と取得対象者(ex.被相続人)の関係を教えてください」と電話がかかってくることもありますね。
六法先生
六法先生
法人が郵送で職務上請求する際には、商業登記簿謄本又は代表者事項証明書の原本(3カ月以内)も同封します。窓口で請求する際にはいらないのにね。そのうち会社法人等番号で対応してくれるようにならないかな。

住宅用家屋証明書

居住用建物を新築又は取得した場合、「住宅用家屋証明書」という役所が発行する書類を添付して登記申請すると、所有権保存登記等の登録免許税の税率の軽減措置を受けることができます。
※「住宅用家屋証明書」を発行してもらうためには、いくつかの要件がありますので、どのような場合でも発行されるわけではありません。

誠実先生
誠実先生
住宅用家屋証明書の発行を窓口で申請する際、多くの市町村では申請書を提出するだけですが、提出の際に「本人確認のために身分証明書を見せて下さい」といわれる市区町村があります。
情報屋先生
情報屋先生
通常は申請してからすぐに発行されますが、受付窓口とデータを管理し審査するところが別の場所にある場合は、住宅用家屋証明書の発行に時間がかかることもありますね。

住民票の写し

所有権移転登記や保存登記、住所変更登記を申請する際には、権利者や申請人の住民票の写し(以下、住民票)を添付します。

住民票の書式は、全国で統一されていません。縦型や横型であったり、冒頭に住所の記載があるものもありますし、中段に記載のあるものもあります。

電卓先生
電卓先生
役所とコンビニで発行される住民票の書式もちがいますね。コンビニで発行される住民票には前住所が記載されないので、住所変更登記の添付書類としては不十分ですね。住所変更登記には、登記簿上の住所から現住所までの住所の変遷が分かることが必要なので。

印鑑証明書

所有権移転登記を申請する際は、登記義務者の印鑑証明書を添付して申請します。

六法先生
六法先生
印鑑証明書は、多くの自治体ではA4サイズで発行されますが、A5サイズのものもありますね。登記申請書やその他の添付書類はA4サイズのものが多いため、A5サイズの書類を添付書類として申請書に綴じる際には工夫が必要です。

固定資産評価証明書

所有権移転登記を申請する場合、固定資産評価証明書(以下、評価証明書)を申請書に添付します。司法書士が評価証明書を取得する場合は、通常、売主である不動産の現所有者から委任状を貰い、市区町村役場に請求します。

電卓先生
電卓先生
委任状なしに評価証明書を取得できる自治体もありますね。現状は紙で申請して評価証明書を貰って評価額を確認していますが、登記申請に必要な情報なので、評価額と評価証明書に記載されている平米数がインターネットでデータ参照できるようになると嬉しいですね。
誠実先生
誠実先生
評価証明書の書式は、市区町村で統一されていませんね。例えば、堺市のマンションの評価証明書は、ポンプ室や共用部分などが細かく記載されているので、課税標準額を算出する際の見方がちょっとややこしいです。

法務局

所有権移転登記を申請する際には、評価証明書を添付することは前述のとおりですが、地目が「公衆用道路」となっている土地については、評価証明書に評価額の記載がない場合があります。

この場合の公衆用道路の課税標準額は、本体部分(同時に所有権移転する隣接宅地等)評価額の30%で算出したり、本体部分が無い場合は「近傍宅地の平米単価×公衆用道路の地積×30%」で算出したりします。法務局によって取扱いが異なりますので、注意が必要です。

誠実先生
誠実先生
そもそも評価額の記載がない場合は評価証明書を発行しない役所もありますね。近傍宅地の平米単価は、役所の固定資産税課で記載する自治体もありますし、自治体では記載せずに管轄の法務局で記載するところもあります。
電卓先生
電卓先生
市区町村から法務局へ価格通知義務があるので法務局は評価額を知り得ているはずですね。評価証明書が登記申請書の添付書類でなかったとしても、司法書士は見積や登録免許税計算のために評価額を知る必要があるので、評価証明書を取得する必要がありますね。

独立行政法人住宅金融支援機構の取扱店の表示

抵当権(根抵当権)の抵当権者が独立行政法人住宅金融支援機構である場合、取扱店を登記することができますが、全ての取扱店が登記されるわけではなく、取扱店が「株式会社」の場合は登記ができる法務局とできない法務局があります。

情報屋先生
情報屋先生
私がよく申請する管轄法務局は、株式会社の取扱店は登記不可でした。

司法書士

分かれ(別れ)の文化

関西には「分かれ(別れ)」と呼ばれる司法書士の文化があります。分かれとは、不動産取引をする際に、売主側と買主側双方にそれぞれ司法書士がつき登記申請をすることをいいます。

誠実先生
誠実先生
分かれは「京都方式」とも言いますね。分かれの文化がない地域の司法書士は、分かれの文化に戸惑うことも多いようです。
電卓先生
電卓先生
分かれの場合は司法書士間で電話で打ち合わせをします。買主側の司法書士から電話を入れるのが基本という話もあるようですが、相手側の司法書士が分かり次第、連絡を入れることが多いですね。

所有権移転登記を分かれでする場合は、共同代理、または復代理ですることになります。共同代理でする時には、売主側の司法書士が買主側の司法書士へ事前に作成した登記原因証明情報や代理人の表示を伝えておくなど、司法書士間の一定のルールがあります。

情報屋先生
情報屋先生
復代理で分かれの売主の司法書士として入った時に、買主側の司法書士に完了証と事後謄本のコピーを郵送で送って貰いたいときは、送って貰うための切手と封筒を渡しますね。渡すのを忘れたら、マナーがなっていないと思われますね。
六法先生
六法先生
共同代理で売主の司法書士として入った時、完了証は法務局から受け取り、事後謄本は買主の司法書士にFAXをお願いすることがありますね。

登記申請書の組み方

書面で登記申請をする際には、申請書に添付書類をホッチキスで綴じて法務局へ提出します。

例えば所有権移転登記を申請する際には、申請書に収入印紙貼付台紙、登記原因証明情報、義務者の委任状、印鑑証明書、権利者の委任状、住民票、評価証明書、権利証(登記識別情報の場合は”登記識別情報通知書”をコピーして封筒に入れる)を綴じるのが基本です。原本還付する書類がある場合はその書類に原本に相違ない旨の記載をしたその書類のコピーを綴じます。

誠実先生
誠実先生
義務者の委任状は、印鑑照合がしやすいように順に綴じますね。

また、窓口で書面申請する際に、登記申請が受け付けられたことを証明して貰いたい場合は、法務局で受付年月日と受付番号等が記載された受領証を発行して貰います。

情報屋先生
情報屋先生
受領証が欲しい場合は、申請書のコピーを一部提出しますが、それを半分に折って提出するか否かも司法書士によって違いがあるようですね。
電卓先生
電卓先生
受領証も法務局によってシールであったりスタンプであったり違いがありますね。

戸籍等を綴じる順番

相続登記を申請する際には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍等を添付します。「死亡の記載のある除籍から出生に遡って綴じる」「出生から死亡の順で綴じる」等、戸籍を綴じる順番も司法書士によって違いがあるようです。

六法先生
六法先生
被相続人が死亡した後に、相続人が死亡していた場合は、その死亡した相続人の出生から死亡までの戸籍等を添付する必要があります。その場合、被相続人と死亡した相続人で共通の戸籍等があることもあるので、戸籍等を年代順に並べるか、人ごとに並べるか悩ましいところです。
電卓先生
電卓先生
“人ごと”に”死亡から遡って”順番に綴じると、その人(死亡した相続人)の除籍がはじめにくるので、インデックス的になって分かりやすいかも。

今回は、市区町村役場、法務局、司法書士業務のルールやマナーについて話し合った内容をご紹介しました。

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