税金・特例/控除

青色申告制度~特典や要件、申請手続について(電卓先生の税金解説)

税金17:青色申告

そろそろ年末が近づいて来ました。個人事業主やフリーランスの方は、1月1日から12月31日までの1年間の所得について確定申告を行わなければなりません。

今回は事業所得等の確定申告で知っておきたい青色申告制度の特典や要件、申請手続について解説します。

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青色申告制度とは

個人事業主やフリーランスの方は1月1日から12月31日までの1年間の所得について確定申告を行い、所得税を納めなければなりません(納税者が所得金額と税額を計算し納税する制度を申告納税制度といいます。日本の所得税は申告納税制度を採用しています)。

青色申告制度は、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、取引に伴い作成や受取した書類を保存することで、税金の有利な特典を受けることができる制度です。

一方、青色申告に対するものとして白色申告があります(青色申告をする場合は税務署に申請を行う必要がありますが、何も申請しないと白色申告となります)。白色申告は簡易な記帳で構いませんが、有利な特典を受けることはできません。

青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記(複式簿記によらなければなりません。現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでも認められますが、この場合、青色申告特別控除の金額は最高65万円ではなく最高10万円になります。

また、これらの帳簿及び書類などは、原則として7年間保存することとされています。

青色申告をすることができる人は、 不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。

青色申告の特典

最高65万円の青色申告特別控除を受けることができる

不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、最高55万円(令和元年以前は最高65万円)を控除することができます。要件を満たさない青色申告者については、最高10万円の控除となります。

なお、令和2年分以後の青色申告特別控除については、最高55万円の青色申告特別控除を受けることができる人が、電子帳簿保存又はe-Taxによる電子申告を行っている場合には、最高65万円の青色申告特別控除が受けることができます。

不動産所得について
不動産所得は不動産の貸付による所得ですが、最高65万円の控除を受けるにはその不動産の貸付が事業的規模である必要があります(事業的規模でない場合は最高10万円の控除となります)。
不動産の貸付が事業的規模かどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至るか否かによって実質的に判断されますが、①アパート等の場合は、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること、②独立家屋の貸付の場合は、おおむね5棟以上であること、のいずれかを満たせば原則として事業として行われているものとして取り扱われます。

家族に対する給与を必要経費にできる(青色事業専従者給与)

青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書(青色事業専従者給与に関する届出書)に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。

なお、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

また、不動産所得の場合に適用を受けるには、青色申告特別控除と同様、事業的規模である必要があります。

貸倒引当金の計上ができる

貸倒引当金とは、取引先の倒産などにより売掛金や貸付金などの債権が回収できなくなることに備えて、その損失の見込額として一定の率により計算した額を計上するものです。

事業所得の青色申告者が、年末における売掛金や貸付金などの貸金の帳簿価額の合計額の5.5%(金融業の場合は 3.3%)以下の金額を貸倒引当金として計上したときは、その金額が必要経費として認められるというものです。

純損失の繰越しや繰戻しができる

純損失の繰越しとは、事業所得などが赤字の場合で、損益通算の規定を適用しても控除しきれない金額(純損失)が生じたときには、その損失額を3年間にわたって繰り越すことができるものです。

例えば今年100万円の赤字だった場合には100万円の損失を翌期に繰り越して、仮に来年150万円の黒字が生じた場合に繰り越した損失100万円を差し引いて50万円の所得とすることができます。

純損失の繰戻しとは繰越しの逆で、前年も青色申告していれば損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることができるものです。例えば前年が150万円の黒字で今年が100万円の赤字だった場合に今年の赤字100万円を前年に繰戻し、前年の所得を50万円とすることができ、結果として100万円×税率分が還付されます。

30万円未満の固定資産が一括経費計上できる(少額減価償却資産の特例)

減価償却とは、パソコンや車など数年にわたって使用する固定資産について、その使用できる期間に応じて分割して費用計上するものです。

白色申告の場合には、10万円以上の固定資産については減価償却をする必要があります。購入時に一括で経費とすることはできません。

しかし青色申告の場合には、30万円未満であれば一括で全額経費とすることが可能であり、その年の所得を圧縮することができます。

青色申告の申請手続

青色申告の適用を受けるには税務署に申請をする必要があります(何もしない場合は白色申告となります)。申請の期限は以下の通りです。

通常(白色申告から青色申告への変更)の場合は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

新規開業した場合には、業務を開始した日から2か月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。一般的には「開業届」とともに提出する場合が多いと思います。

記帳について

青色申告をするためには、原則として複式簿記による記帳を行い、貸借対照表及び損益計算書を作成して確定申告を行う必要があります。複式簿記による記帳を行うには一定の知識が必要ですし、日々の取引を記帳するという手間もあります。

ただし、最近では簿記の知識がなくても複式簿記の記帳や貸借対照表及び損益計算書の作成ができるソフトが提供されています。また、税務署でも記帳指導を無料で受けられる機会が設けられています。

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