税金・特例/控除

法人成り~メリット・デメリット

税金15:法人成り

法人成りとは、個人事業主が株式会社や合同会社などの法人を設立して、個人で行っていた事業を法人での事業に移行することです。

本人は法人の役員として法人から役員報酬を得ることになります。

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メリット

給与所得控除が利用できる

法人成りすると、本人は役員として役員報酬を得ることになりますが、役員報酬は給与所得ですので個人の所得税計算上、給与所得控除を受けることができます。

個人事業主としての経費をそのまま法人の経費にするとした場合、給与所得控除分だけ税金の負担が軽減されることになります。

所得(利益)が大きくなると税率が相対的に低くなる

個人事業主としての所得は事業所得として所得税がかかりますが、所得税は累進課税となっているため、所得が増えるほど税率が高くなります。

一方、法人については、法人税、住民税、事業税がかかりますが、基本的に税率は一定であるため、所得が多くなってくると法人の方が税率が低くなることになります。

個人事業主:約15~55%(所得税、住民税)

法人:約20%~30%(法人税、法人住民税、法人事業税)

消費税の免税事業者期間を延ばせる

消費税は、基準期間という一般的には2年前の売上高が1,000万円を超えていると納税義務が生じます。個人事業主と法人は別人格ですので、個人事業主として消費税の課税事業者になるタイミングで法人成りすることで2年間は基準期間が存在しないことになるため、消費税の課税事業者となるタイミングを2年間遅らせることが可能になります。

社会的信頼性の向上

一般的に個人事業主よりも法人の方が信用力が高く見られます。金融機関から借入を行う場合でも法人の方が借りやすい傾向があります。

デメリット

法人設立費用がかかる

株式会社であれば一般的に25万円~30万円程度の設立費用がかかります。合同会社であれば多少安くはなりますが、10万円~15万円程度かかります。

社会保険の加入義務がある

法人になると、雇用人数にかかわらず社会保険への加入義務が生じます。

個人事業の場合は、原則として5人以上を雇用していない場合は社会保険への加入義務はありません。社会保険料は労使折半で負担しますので、雇用人数が5人未満の場合は法人成りすることで社会保険料の負担が生じます。

ただし、雇用条件として社会保険完備といえますので従業員雇用の面からは一概にデメリットとは言い切れません。

また、一般的に厚生年金の方が国民年金よりも負担は重くなったとしても給付の面は手厚くなるため、こちらも一概にメリット・デメリットを言い切ることは難しいですね。

社会保険の制度や負担について詳しく検討したい方は社会保険労務士にご相談されることをお勧めします。

経理コストの上昇

法人になると、法人税、住民税、事業税の申告書の作成が必要になり、個人の所得税よりも煩雑になります。税理士に依頼する場合にはその費用が必要になります。

個人事業主としての確定申告は自分で行っていた場合でも、法人化にあたり税理士に依頼する方が多くいらっしゃいます。

均等割がかかる

個人事業主は赤字であれば税負担は生じませんが、法人の場合は赤字であっても住民税均等割がかかります。小規模な法人の場合、一般的に毎年約7万円がかかります。

法人のお金と個人のお金は別

個人事業主のときはプライベートなお金と事業のお金は一体となっている場合が多いかもしれません。法人になると、法人のお金はあくまで法人のものですので、法人のお金を社長がプライベートで利用した場合は、法人からみると社長への貸付となります。

特に金融機関からの借入等を検討している場合は、社長貸付のような処理をしていると融資評価にマイナスとなりますので避けるべきです。

どのタイミングで法人成りするのがよいか

税金の観点からは、利益がおおよそ800万円程度を超えると法人の方が有利になることが多いと思われます。利益がおおよそ500万円を超えだしたぐらいから法人成りを検討される方が多いように思います。

また、売上が1,000万円を超えるようになってきたときも、消費税の観点から法人成りを検討される方が多いです。

それ以外にも、事業的な信用力の向上など税金以外の観点も法人成りの検討材料となります。

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