銀行等から借入を受けて住宅を購入する際、不動産には銀行等が返済を担保するために抵当権を設定するのが通常です。
返済が終わると抵当権を抹消しますが、銀行等が自動的に抵当権の抹消手続きをしてはくれませんので、ご自身で手続きをする必要があります。
抵当権抹消登記の手続きは自分ですることも出来ますが、抹消する前に、所有者の住所変更登記や、銀行等(抵当権者)の合併移転登記が必要な場合があります。
完済後に確実かつ安心して抵当権を抹消するには、登記手続きの専門家である司法書士に依頼するのが良いと思います。
※ここで紹介するのは抵当権抹消手続きの依頼があった場合の司法書士がする基本的な仕事の流れの一例ですので、事務所やお客様の状況によって異なる点がある旨ご了承ください。
menu
抵当権抹消登記手続きの依頼
司法書士へ抵当権抹消手続きの依頼をする場合には、まずは依頼する司法書士事務所へお問合せ下さい。
住宅ローンを完済すると、銀行等から抵当権抹消手続きに必要な書類が交付されます。交付された書類の中で具体的に必要になるのは、
- 権利証(登記済証または登記識別情報通知書)
- 登記原因証明情報(抵当権解除証書等)
- 委任状
です。また、お客様が司法書士へ登記手続きを委任する内容が記載された委任状への押印が必要になりますので、お客様の認印も必要になります。
⓵権利証は、「登記済証」と呼ばれる申請書の写しに法務局が「登記済」という赤いハンコが押された書類か、「登記識別情報通知書」と呼ばれる登記事務が電子化された後に登記済証に代えて発行される12桁のアラビア数字その他符号の組み合わせ(以下、数字等)が記載された書類になります(数字等は目隠しで覆われています)。
②登記原因証明情報とは、抵当権を抹消する原因が書かれた「抵当権解除証書」や「抵当権放棄証書」といった書類になります。銀行等によっては、抵当権を設定した際に締結した契約書(抵当権設定契約書)に「解除します」と書かれたものが登記原因証明情報になることもあります。
③委任状には、司法書士へ登記手続きを依頼する旨の内容が書かれています。
厳密には資格証明書(代表者事項証明書)と呼ばれる銀行等の登記事項を証明するための書類が必要になりますが、資格証明書は会社法人等番号を登記申請書に記載することで添付省略することができます。多くの司法書士事務所では会社法人等番号を記載することで資格証明書は添付省略しますので、資格証明書は不要になります。また、通常は銀行が法人等番号が記載された書面を他の抹消書類と一緒に交付してくれます。
お問合せ頂いた時に、司法書士から「抵当権を抹消したい不動産の所在地や不動産の個数、登記されている所有者の住所が現住所であるか」を確認されることもありますが、分からない場合は「分からない」とお答えいただいて結構です。
司法書士は書類を受け取ったら、⓵権利証、②登記原因証明情報、③委任状があるかを確認します。そして抵当権を抹消する不動産の登記情報をインターネットで閲覧し、現在の登記事項と照らし合わせ、お持ち頂いた権利証が抹消したい抵当権の権利証で間違いないか、所有者の氏名住所が現在の氏名住所であるか等を確認します。
抵当権設定後に結婚して氏が変わった場合、裁判所の許可を得て名を変えた場合、引っ越しして住所が変わった場合は、登記簿上記載の氏名と住所が現在のものと異なっているはずです。
登記簿上記載の所有者の氏名や住所が現在の氏名や住所と異なる場合には、抵当権抹消登記をする前に、登記簿上記載の所有者の氏名や住所を現在のものに変更する登記が必要になります。その場合は、戸籍謄本や住民票(または戸籍の附票)が必要になります。
戸籍謄本や住民票はお客様にご用意頂きますが、司法書士に取得して貰うこともできます。
住民票(戸籍の附票)は、登記簿上記載の住所から現在の住所までの変遷が分かる住所履歴が記載されたものが必要です。役所の保存期間が経過していて旧住所が記載された住民票等が発行されない場合は、司法書士は上申書という書類を作成します。
必要書類の確認を終えると、委任状に署名押印を頂きます。登記手続きに必要な費用についてもお伝えします。
銀行等が抵当権抹消前に合併している場合は、抵当権の移転登記が必要です。抹消書類が交付される前に、銀行側で抵当権移転登記をおこなうことが多いです。
登記申請書類の作成
抵当権抹消手続きの依頼を受けると、司法書士は登記申請書類を作成します。
抵当権抹消登記は、申請書の他、登記原因証明情報、権利証、委任状(銀行等とお客様のもの)を添付して、対象不動産の管轄の法務局に提出しておこないます。
登 記 申 請 書
登記の目的 抵当権抹消(順位番号後記のとおり)
原 因 令和○年○月○日解除
権 利 者 ○○市○○町○○番○○号 田中次郎
義 務 者 ○○市○○町○○番地○ 株式会社○○銀行
(会社法人等番号 1234-56-789012)
代表取締役 山田太郎
添 付 情 報 登記識別情報(又は登記済証) 登記原因証明情報
会社法人等番号 代理権限証明情報
令和○年○月○日申請 ○○法務局○○支局
代 理 人 ○○市○○町○○番○○号
司法書士 六法条一
電話番号 000-111-2222
登録免許税 金2,000円(不動産1個につき1,000円)
不動産の表示
略(順位番号 ○番)
略(順位番号 ○番)
登記原因証明情報で、「抵当権解除証書」や「抵当権放棄証書」としてお客様に対して発行されているもの(法務局向けに作成された法務局出し切りではないもの)は、法務局に提出し、登記が完了した後に原本を還付してもらうことができます。
通常、原本還付できる書類は原本還付しますので、その場合は登記原因証明情報をコピーし、コピーしたものに「原本に相違ありません。」と奥書した上で、司法書士の署名(又は記名)押印をします。原本は、クリアファイル等に挟んで提出します。
権利証は、登記済証であればクリアファイル等に挟んでそのまま提出しますが、登記識別情報通知書の場合は、目隠しを剥がしてコピーし、コピーしたものを封筒にいれて添付します。
登録免許税は、収入印紙を貼付して納めます。
登記完了書類を郵送で返却して貰う場合は、レターパックプラスを添付します。
登記完了後
登記が完了すると、法務局から登記完了書類を受け取り、登記事項証明書を取得します。登記事項証明書で抵当権が抹消されていることを確認します。
お客様には、登記完了証や登記事項証明書を提示しながら、抵当権が抹消されたことを説明します。説明が終わると、登記完了書類をお客様にお渡しし、受取書にサイン(又は認印での押印)を頂きます。
登記費用は通常、登記完了書類と引き換えにお支払頂きますが、あとで銀行振込で頂くこともあります。
登記完了書類をお客様へ返却し、事務所に保管する書類/破棄する書類を整理して、司法書士の仕事は完了となります。











