今回は印紙税の基礎について解説します。
menu
印紙税が課税されるのはどんな文書?
印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた課税文書に限られています。この課税文書とは、次の3つのすべてに当てはまる文書をいいます。
- 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
- 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
- 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。
課税文書に該当するかどうかは、その文書に記載されている内容に基づいて判断することとなりますが、当事者の約束や慣習により文書の名称や文言は種々の意味に用いられています。そのため、その文書の内容判断に当たっては、その名称、呼称や記載されている文言により形式的に行うのではなく、その文書に記載されている文言、符号等の実質的な意味を汲み取って行う必要があります。(「国税庁HP」より引用)
非課税文書とは
- 課税物件表の非課税物件の欄に掲げる文書
- 国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書
- 別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの
- 特別の法律により非課税とされる文書
印紙税額一覧表
印紙税額一覧表はこちらをご覧ください。
不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
令和4年3月31日までの間に作成される不動産譲渡契約書及び建設工事請負契約書については、印紙税の軽減措置が適用されます。
軽減措置の対象となる契約書は、不動産譲渡契約書のうちその契約書に記載された契約金額が10万円を超えるもの、及び、建設工事請負契約書のうちその契約書に記載された契約金額が100万円を超えるもので、令和4年3月31日までの間に作成されるものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
契約書とは?
契約書とは、契約証書、協定書、約定書、覚書その他名称のいかんを問わず、契約(その予約を含む)の成立、更改、内容の変更や補充の事実を証する目的で作成された文書のことです。
念書、請書その他契約の当事者の一方のみが作成する文書又は契約の当事者の全部若しくは一部の署名を欠く文書で、当事者間の了解又は商慣習に基づき契約の成立等を証することになっているものも含まれます。
したがって、解約合意書など、契約の消滅の事実のみを証明する目的で作成される文書は、課税対象とはなりません。
申込書等は?
申込書、注文書、依頼書等は、一般的には契約の申込の事実を証明する目的で作成されるものですので、契約書にはなりません。しかしながら、申込書、注文書、依頼書等であっても、実質的にみて、その文書によって契約の成立等が証明されるものは、契約書に該当することになります。
実務上、申込書等と表示された文書が契約書に該当するかどうかの判断について、次に掲げるものは、一般的に契約書に該当するものとして取り扱われています。
- 契約当事者の間の基本契約書、規約又は約款等に基づく申込みであることが記載されているもので、その申込みにより自動的に契約が成立することとなっている場合の申込書等。ただし、別途契約書等を作成することが記載されているものは除かれます。
- 契約の相手方当事者の見積書等に基づく申込みであることが記載されている申込書等。ただし、別途契約書等を作成することが記載されているものは除かれます。
- 契約当事者双方の署名又は押印があるもの
契約書の写し等は?
一つの契約について同一の契約書が複数通作成される場合でも、それぞれの文書が課税文書となります。
実際の取引においては、写し、副本、謄本などと表示されることがありますが、このような場合でも、おおむね次のような形態のものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかであり、印紙税の課税対象になります。
- 契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるもの
- 正本などと相違ないこと、又は写し、副本、謄本等であることなどの契約当事者の証明のあるもの
なお、所持する文書に自分だけの印鑑を押したものは、契約の相手方当事者に対して証明の用をなさないため、課税対象とはなりません。
また、契約書の正本を複写機でコピーしただけのもので、上記のような署名若しくは押印又は証明のないものは、単なる写しにすぎないため、課税対象とはなりません。
同じく、ファックスや電子メール等により送信する場合も正本等は送付元に保存され、送付先に交付されておらず、送付先で出力された文書は写しと同様であり、課税対象とはなりません。
文書の記載金額について
印紙税の課税文書には、記載金額により税額が異なるものや課税されないものがあります。
記載金額をどのように判断するか、いくつか事例を紹介します。
月単位などで契約金額を定めている場合
月単位などで契約金額を定めている契約書で、契約期間の記載があるものは、その金額に契約期間の月数などを乗じて計算した金額が記載金額となります。
契約期間の記載がないものは、記載金額はないものとされます。なお、契約期間の更新の定めがあるものについては、更新前の期間のみで計算することになります。
消費税及び地方消費税の金額が区分記載されている契約書や領収書
消費税及び地方消費税が区分記載されている場合又は税込価格と税抜価格の両方が記載されていること等により、その取引における消費税額等の金額が明らかな場合には、売買契約書などの第1号文書、工事請負契約書などの第2号文書、領収書などの第17号文書についてはその消費税額等の金額は記載金額に含めないこととされています。
契約金額を変更する契約書
変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかな場合
- 変更金額が記載されている場合(変更前の契約金額と変更後の契約金額が記載されていることにより変更金額を算出できる場合及び変更前の契約金額と変更後の契約金額との差額が記載されている場合も含む)には、変更金額が変更前の契約金額を増加させるものであるときは、その増加金額、変更金額が変更前の契約金額を減少させるものであるときは、記載金額はないものとなります。
- 変更後の金額のみが記載され、変更金額が明らかでないときは、変更後の金額が記載金額となります。
変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかでない場合
- 変更後の金額が記載されているときは、変更後の金額が記載金額となります。
- 変更金額のみが記載されているときは、変更前の金額を増額するもの及び減額するもののいずれもその変更金額が記載金額となります。
交換契約書
- 交換対象物双方の金額が記載してある場合:いずれか高い方(等価交換のときは、いずれか一方)の金額
例えば、「価額1,000万円の土地と価額1,100万円の土地を交換し、交換差金100万円を支払う」と記載した場合の記載金額は1,100万円となります。 - 交換差金のみが記載してある場合:交換差金の金額
「甲の所有する甲土地と乙の所有する乙土地を交換し、甲は乙に交換差金100万円を支払う」と記載した場合の記載金額は100万円となります。 - 交換される不動産の価額及び交換差金が記載されていない場合:記載金額のない契約書













