[運営/監修]小林司法書士事務所/木村会計法務事務所[お仕事/メディア取材/講演のご依頼]
税金・特例/控除

[贈与税Q&A]みなし譲渡、損金、ご祝儀、控除/特例等(電卓先生の税金解説)

税金11:贈与税質疑応答1

電卓先生
電卓先生
これまでに贈与税の基礎知識として、「どんな時に贈与税がかかる?贈与税の課税場面」「暦年課税と相続時精算課税」「控除・非課税特例」についての記事を公開致しました。今回は、贈与税についてよく受ける質問についてQ&A形式にしてまとめましたので、ご紹介致します!

~法人と個人の贈与に関する取扱い~

贈与者(あげる方) 受贈者(もらう方) 贈与者の課税 受贈者の課税
個人 個人 なし 贈与税
法人 個人 寄付金または賞与 一時所得
個人 法人 みなし譲渡 受贈益
法人 法人 寄付金 受贈益

Q1.個人が法人へ贈与した時に、個人に譲渡所得税がかかるのはなぜですか?

相談者さん
相談者さん
個人(贈与者)から法人(受贈者)へ贈与した時に、贈与者が譲渡所得税の課税対象となるのはぜでしょうか?個人から個人へ贈与した時には課税対象とはならないようですが。
電卓先生
電卓先生
法人が贈与を受けた時は、贈与者から時価で譲渡されたものとみなされますので、贈与した側も時価で譲渡したとみなされ、譲渡所得税の対象となります。

個人から法人へ贈与した場合は、「時価で譲渡」したものとみなされます(みなし譲渡)。無償で贈与したとしても、時価で譲ったものとして譲渡益が生じる場合には、譲渡所得税がかかることになります。

例えば、個人が50万円で買った土地が時価100万円になっていた場合、その土地を法人に贈与すると、100万円の価値のものを贈与したことになります。しかし、時価100万円の土地を贈与するのにかかったお金は50万円です。贈与した方には、差額の50万円の利益を得たものとみなされ、譲渡所得税の対象となるのです。

次に法人がこの土地を200万円で売った時には、差額100万円分が課税対象となります。50万円→100万円→200万円の価値で順に譲り渡した場合、贈与した時点でそれぞれが課税対象となり、合計で150万円分に対して課税されます。

一方、個人(贈与者)から個人(受贈者)へ贈与した場合は、贈与者の取得価格を引き継ぐことができます。(個人)50万円→(個人)100万円→(法人)200万円の価値で順に譲り渡した場合には、第1贈与ではみなし譲渡課税せず、第2贈与でみなし譲渡課税し、150万円に対して課税されることになります。

Q2.損金とはなんですか?

相談者さん
相談者さん
法人から個人へ、また法人から法人へ贈与した場合は、時価で寄付したものとして寄付金の対象となり、一定額を超える分は損金とはなりませんね。損金が何なのかがよく分からいのですが…。
電卓先生
電卓先生
損金とは、経費のうち、税務上の経費として認められるものになります。

例えば、大企業では一定の交際費は経費として認められず、損金にはなりません。寄付金は税金逃れで使われることを懸念して、一定額以上は損金とはならないことになっています。役員の賞与も一般的には損金とはなりません。

Q3.ご祝儀は贈与税はかかりませんか?

相談者さん
相談者さん
先日、結婚しました。結婚のご祝儀を頂いたのですが、ご祝儀は贈与税の対象にはなりませんか?
電卓先生
電卓先生
個人から受ける香典、贈答、お見舞いなどで、社会通念上相当と認められるものは、贈与税はかかりません。

一般的に考えて、常識から逸脱しない金額であれば、社会通念上相当と認められ、贈与税はかかりません。

少し古い話ですが、以前に人気落語家さんが襲名披露時に受け取ったご祝儀約2,200万円(その他を含めて計約1億2,000万円)を税務申告していなかったとして、追徴課税されました。贈与税の対象になるか否かは、それぞれのケースによって異なりますので、「これはどうなんだろう?」と思った時は、税理士にご相談ください。

Q4.110万円未満の贈与を受けた時は申告しなくてもいいですか?

相談者さん
相談者さん
先日、友人から10万円を貰いました。110万円以下の贈与を受けた時は税務署へ申告しなくても良いと聞いたのですが、本当でしょうか?
電卓先生
電卓先生
1年間(1月1日から12月31日)に贈与を受けた額が110万円以下のときは贈与税はかからず、贈与税の申告も不要です。

贈与を受けた額が1年間で110万円以下の場合は贈与税の申告は不要です。ただし、贈与税はあくまでもらった人にかかりますので、複数人から贈与を受けた額が110万円を超える場合は申告が必要です。あげる人ごとに110万円ではありません。

また、申告する義務はありませんが、申告をしても良いです。贈与の事実を示すために、110万円以下であっても申告をすることもあります。

Q5.子から親へ毎月10万円の生活費を渡していた場合は贈与税はかかりますか?

相談者さん
相談者さん
私は親に毎月10万円を生活費として渡しています。年間で110万円超になるのですが、贈与税はかかりますか?
電卓先生
電卓先生
扶養義務者から生活費・教育費に充てるために受けた財産で通常必要と認められるものには贈与税はかかりません

扶養義務者、例えば成人した子が親に毎月渡す生活費は、通常必要と認められる範囲の金額であれば、贈与税はかかりません。

また、親が子の教育費を払う等、扶養義務者が通常負担すべき金額には贈与税はかかりません。

Q6.贈与税を払うのか、相続時精算課税制度を使うのか、どっちがいいでしょうか?

相談者さん
相談者さん
親から不動産や金銭の生前贈与を受ける予定です。この場合、税金面では相続時精算課税制度を使うのがいいのでしょうか?
電卓先生
電卓先生
相続時精算課税制度を使うのが良いのか否かは、ケースバイケースです。メリット・デメリットを考慮して使うか否かを決定します。

相続時精算課税制度は、贈与を相続時に精算することで贈与と相続を通算して課税を行う制度です。2,500万円までは非課税で贈与できます。

メリットとしては、⓵値上がり資産を贈与する場合は、贈与時の評価額で相続時に評価されるので、課税額が抑えられる点、②収益資産を贈与する場合は、早いうちに贈与すれば、その収益は受贈者の資産となるため、収益部分について相続税を回避することができる点などが挙げられます。

デメリットとしては、⓵一度相続時精算課税を適用すると以降は相続時精算課税のみで贈与税の計算がなされることになり、110万円の枠を利用できる暦年課税に戻ることはできなくなる点、②相続時に使える小規模宅地の特例は利用できない点、③不動産の場合は、相続で移転するよりも贈与で移転した場合は登録免許税が高くなる点などがあげられます。

Q7.控除・非課税特例は併用できますか?

相談者さん
相談者さん
贈与税にはいくつかの控除・非課税特例があると聞きました。これらは併用して利用できますか?
電卓先生
電卓先生
贈与税の控除・非課税特例は併用して利用することができます

贈与税には、配偶者控除、住宅取得資金の非課税の特例、教育資金の非課税制度、結婚・子育て資金の非課税制度があります。これらは、併用して利用することができます。

詳細は、こちらの『贈与税の基礎知識~控除・非課税特例について~』の記事をご参照ください。

Q8.妻の親から住宅購入資金の一部贈与を受けた時は、贈与税はかかりますか?

相談者さん
相談者さん
近々住宅を購入予定です。購入資金の一部を妻の親に出してもらう予定なのですが、贈与税はかかりますか?
電卓先生
電卓先生
金額によって贈与税の対象となる可能性があります。

直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、一定の要件を満たすものは住宅取得資金の非課税の特例によって非課税になります。直系尊属とは、相談者さんの親になります。

もし、奥様の親に購入資金の一部を出して貰って、所有権の全部を相談者さんにした場合は、贈与税の対象となる可能性があります。

 

贈与税・税務申告相談>>

にほんブログ村 資格ブログ 司法書士試験へ 

このエントリーをはてなブックマークに追加