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相続・終活

遺言執行者とは?〜選任・解任の方法から報酬までチェック〜[相続・終活の基礎知識]

相続終活31遺言執行者

誠実先生
誠実先生
今回は遺言執行者についての記事です。遺言執行者は簡単に言えば、遺言の内容を実現するために手続きを行う者のことです。
※遺言執行者に関する参考条文①

民法1006条1項

遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。

【前提】遺言執行者とは

誠実先生
誠実先生
被相続人が遺言をして亡くなりました。遺言には相続割合などが記載されていたとして、その手続きを誰が行う(執行する)のか?遺言執行者を定めることでその者に執行権限を付与し、遺言執行を行わせることができます。

遺言執行者とは、遺言によって選任され、遺言内容を実現するために行動する人(法人でも可)の事です。

※遺言執行者に関する参考条文②

民法1012条1項2項

遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。

2.遺言執行者がある場合には、遺言の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。

人が亡くなり相続が発生するということは、人生で何度も経験するものではありません。そして、その後の手続きは煩雑なものも多く、時間や知識を必要とします。

遺言執行者は相続財産の管理その他遺言に必要な一切の行為を行う権限を有するので、例えば専門家が遺言執行者に選任されていれば残された遺族にとっても安心です。

また、以下二点が遺言の内容として定められている場合には、遺言執行者のみが執行できることになっているため、必ず遺言執行者が必要になります。

  • 子供の認知
  • 相続廃除を行う

遺言執行者の選任方法

遺言執行者の選任方法は以下3つになります。

  1. 遺言による指定(民法1006条)
  2. 遺言によって第三者に指名権を与える(民法1006条)
  3. 家庭裁判所による選任(民法1010条)

 

①②については、遺言内容として遺言執行者を指定またはその指定を第三者に委託します。遺言執行者は一人又は数人を指定することができ、また法人を指定することも可能です。

③については、以下のような場合に利害関係人の請求によって家庭裁判所が選任します。

  • 遺言に遺言執行者の指定または指定委託がない場合や、指定された遺言執行者が就任を拒絶した場合
  • 遺言執行者がなくなった場合

電卓先生
電卓先生
遺言執行者がなくなった場合とは、遺言執行者が死亡、解任、辞任や資格喪失などの事由が生じた場合が該当します。
発展

遺言執行者の欠格事由(民法1009条)

未成年者及び破産者は遺言執行者になることができない。

遺言執行者を解任する・辞任する方法

誠実先生
誠実先生
遺言執行者は就任を承諾することでその任務を開始します。ここでは遺言執行者を辞める又は辞めさせるための手続きについてみていきます。
※遺言執行者に関する参考条文③

民法1019条

1項 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。

2項 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。

上記の条文のとおり、解任・辞任とも家庭裁判所への請求もしくは許可が必要になります。

また解任事由として、

  1. 遺言執行者が任務を怠ったとき
  2. 解任について正当な事由があるとき

 

という二点があります。

具体例としては、

  • 正当な理由がなく財産目録の作成を行わない
  • 相続人から事務処理報告の請求があったのにその報告を行わない
  • 相続財産の保管・管理につき善管注意義務違反があった
  • 遺言執行者が一部の相続人のみに対して利益増加を図った

 

などが挙げられます。

電卓先生
電卓先生
ここでいう利害関係人とは、相続人や受遺者、遺言者の債権者などの事です。

遺言執行者の報酬

誠実先生
誠実先生
遺言執行者は欠格事由に当てはまらない限り、個人や法人、また相続人や受遺者も就任することができます。では専門家に頼んだ場合、どのくらいが相場になってくるのかみていきましょう。

遺言執行者の報酬は、遺言によって定まります。そして遺言に遺言執行者の報酬について記載がない場合は、家庭裁判所に申し立てて報酬額を決めてもらう事となります。(民法1018条参照)

銀行に依頼した場合

銀行に依頼した場合、相続財産に応じて1~3%の報酬がかかります。そして最低報酬額として100万円程が相場になっているようです。また、「遺言書作成」「遺言書の保管」「遺言執行」はパッケージ商品となっており、遺言執行者の報酬費用以外にもそれらが必要となってくることも考慮する必要があるでしょう。

弁護士に依頼した場合

弁護士には現在は廃止になっていますが、平成16年まで定められていた「報酬規程」が存在しました。よって以下の報酬を基準に各事務所が報酬規程を定めていることが多いようです。

基本 経済的利益の額 報酬
①300万円以下 30万円
②300万円~3000万円以下 2%+24万円
③3000万円~3億円以下 1%+54万円
④3億円を超える 0.5%+204万円
特に複雑または特殊な事情がある場合 弁護士と受遺者の協議により定める額
遺言執行に裁判手続を要する場合 遺言執行手数料とは別に、裁判手続に要する弁護士報酬を請求できる

弁護士は法的な紛争解決を図るプロですので、万が一争いが発生したとしても、当該遺言執行者たる弁護士とともに解決を図ることができるという点も、メリットとしてあげることができます。

司法書士に依頼した場合

司法書士には遺言執行者の報酬規程は存在しないため、報酬は各事務所によってばらつきがあります。しかし相場としては、相続財産の1%前後、一般的には30万円前後となる事務所が多いように感じられます。

上記以外にも、税理士や行政書士も遺言執行者の業務を取り扱っていますが、司法書士と同じく報酬規程がありませんので、各事務所によって異なってくるようです。

誠実先生
誠実先生
銀行以外の専門家に遺言執行者の就任を依頼する場合、事務所ごとに報酬額がかなり違う場合もあるので、遺言の内容も含めてまず相談してみるのもいいかと思います。

遺言執行者についての司法書士の会話

誠実先生
誠実先生
相続人が高齢で煩雑な手続きをすることが難しい場合や、相続人間のトラブルを防止するには、遺言執行者の選任をしておいた方が望ましいと思います。個人では見極めが難しいので、信用のできる専門家に相談することをお勧めします。
電卓先生
電卓先生
不動産を遺贈する場合、遺言執行者がいれば遺言執行者と受贈者で登記申請することになりますが、遺言執行者の指定がない場合には、相続人全員と受贈者で登記申請を行わなければなりません。相続人全員の協力を得ることが困難な場合もあるため、遺贈を行う場合は遺言執行者を必ず指定しておくことが望まれます。
情報屋先生
情報屋先生
財産目録の作成/交付を怠る等、遺言執行者が法律で定められたことをしないと、遺言執行者は相続人から損害賠償請求をされる恐れがあります。欠格事由に該当しない限り、遺言執行者には弁護士や司法書士といった法律の専門家でなくともなることができますが、遺言執行者にはなるべく遺言執行者の権限・義務について明るい方を選任するといいですね。
六法先生
六法先生
今回の法改正によって、遺言執行者がその権限内においてした行為は相続人に対して直接に効力を生ずる(民法1015条)という内容が定められました。これにより遺言執行者は遺言者の意思を実現するために任務を行う者であることが明文化され、権限内容の明文化(民法1012条)ともに遺言執行者の地位権限が明確になりましたね。

 

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