相続や贈与により財産を取得した場合には、取得した財産の価額をもとに相続税や贈与税が課税されます。
財産の価額は原則として時価によるものとされていますが、財産の評価の公平性を図るため、各種の財産の評価方法が相続税法や財産評価基本通達により定められています。
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地目について
土地は、原則として宅地、田、畑、山林などの地目ごとに評価します。登記簿上の地目にかかわらず、現況地目で評価します。
地積(面積)について
土地の地積には登記簿上の地積(公簿地積)と実際の面積(実測面積)があり、両者が異なることが多々あります(公簿地積よりも実測面積の方が大きい場合を「縄伸び」、公簿地積よりも実測面積の方が小さい場合を「縄縮み」といいます)。
土地の評価においては実測面積により評価することとなっています。すべての土地について実測が求められるわけではありませんが、明らかに縄伸びがある場合には実測面積により評価を行うことが適切です。
また、相続後に土地を売却する場合には、通常測量を行いますので実測面積が明らかになります。その場合も相続税の申告においては実測面積により評価を行うことが適切と考えられます。一方で、縄縮みがある場合には、実測面積で評価することで相続財産が過大評価になるのを防ぐことができます。
公簿地積は明治時代の測量によるものが引き継がれている場合があり、当時の測量技術が未熟であったこと、地租を逃れるために実測面積よりも小さく申告する場合があったことが原因として考えられます。
また、平成17年に不動産登記法改正に伴う不動産登記事務取扱手続準則が施行されるまでは、「分筆後の土地のうち一筆については、必ずしも求積及びその方法を明らかにすることを要しない」として残地求積が認められていました。
例えば、公簿地積1,000㎡、実測面積が1,200㎡の土地のうち800㎡を分筆売却した場合、残地について測量を行わなければ残地は公簿面積200㎡、実測面積400㎡となり縄伸びが2倍にもなる土地が生じることになります。
直近で分筆等が行われている場合は縄伸び等はほぼないと考えられますが、先祖代々の土地等は縄伸び等が生じている可能性があります。
宅地(自用地)の評価
宅地の評価で一番基本になるのが自用地の評価です。自用地とは、借地権等が設定されていない、所有者が利用制限なく使用できる土地のことです。
路線価方式
路線価方式は、路線価が定められている地域の評価方法です。路線価は主に市街地で定められており、市街地の土地の評価を行う場合には路線価方式による場合が多いです。
路線価方式の宅地の評価額=路線価×各種補正率×地積
路線価
路線価とは、路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額のことで、千円単位で表示されています。国税庁HPで調べることができます。
公的機関が公表する地価には路線価以外にも公示地価や基準地価があります。
路線価
国税庁が毎年7月に公表する1月1日時点の主要道路に面した土地価格で、調査地点は約32万9千地点です。
相続税や贈与税の算定基準に用いられます。
公示地価
国土交通省が毎年3月に公表する1月1日時点の全国の土地価格で、調査地点は約2万6000地点です。
民間企業などの土地取引の指標に用いられます。
基準地価
都道府県が調査し国土交通省が毎年9月に公表する7月1日時点の全国の土地価格で、調査地点は約2万地点です。
民間企業などの土地取引の指標に用いられます。
各種補正率
土地の形により各種の補正率が定められています。間口が狭ければ価値が低くなるでしょうし、角地であれば価値は高くなるでしょう。このような利用価値による補正率が定められており、以下のようなものがあります。
- 奥行価格補正率:奥行きが長い(マイナス補正)
- 側方路線影響加算率:側方路線がある(角地)(プラス補正)
- 二方路線影響加算率:正面と裏面が路線に面している(プラス補正)
- 間口狭小補正率:間口が狭い(マイナス補正)
- 奥行長大補正率:間口に対して奥行きが長いウナギの寝床のような土地(マイナス補正)
- がけ地補正率:がけ地を有する土地(マイナス補正)
- 不整形地補正率:正方形や長方形でない、例えば三角形の土地や旗竿地など(マイナス補正)
倍率方式
倍率方式は、路線価が定められていない地域の評価方法です。
倍率方式の宅地の評価額=固定資産税評価額×倍率
固定資産税評価額
毎年市町村役場から送られてくる納税通知書で確認することができます。「評価額」の欄の金額です。
倍率
国税庁HPに評価倍率表があります。宅地であれば1.1となっていることが多いです。













