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相続・終活

所有権留保とは?割賦販売で利用される特約[相続・終活の基礎知識]

相続終活23所有権留保

誠実先生
誠実先生
「誠実先生の相続・終活の基礎知識」シリーズ。今回は、「所有権留保」について解説します。

所有権留保とは、主に割賦販売をする際に、その対象のモノを買主に引き渡したあとも、買主が売買代金全額を支払うまでは、所有権を買主に移さずに、売主に留めておくことをいいます。

割賦販売とは、売買代金を一括で支払うのではなく、分割して毎月又は毎年定期的に支払う方法で販売することです。割賦販売をする時に所有権留保をすることによって、残代金の支払遅延リスクを軽減することができます。

参考:割賦販売法第7条

(略)割賦販売の方法により販売された指定商品(略)の所有権は、賦払金の全部の支払の義務が履行される時までは、割賦販売業者に留保されたものと推定する。

また、割賦販売で商品を販売し、所有権を買主に移した場合に買主が支払いを途中でやめてしまった時には、債権者である売主は差押えをして競売代金から代金を回収することになります。差押えや競売手続きには費用や手間・時間がかかります。割賦販売をする際に所有権留保の特約を結び、所有権を売主に留めていた場合は、支払いが滞った時には、所有権に基づいてそのモノを引渡し請求することができます。

売買契約をする際に特約を結べば、不動産でも動産でも所有権留保をすることはできます。ただし、不動産の場合は宅建業法で制限があったり、住宅ローンを組んで金融機関が抵当権を設定する際には所有権留保の状態では設定できなかったりするので、不動産で所有権留保がされることはレアケースかもしれません。

発展

不動産取引において、宅建業者自らが売主となり、宅地又は建物を買主個人に割賦販売した際、代金の10分の3の支払いがあった場合には、所有権留保をしてはいけないと決められています(宅地建物取引業法43条)。所有権がいつまでも宅建業者にあると、もしその宅建業者が倒産してしまったら、買主は多大な損害を被りますね。

所有権留保に関する司法書士と税理士の会話

電卓先生
電卓先生
車を割賦販売で購入する際には、ディーラーが所有者、購入者が使用者というように、所有権留保で購入する場合も珍しくないですね。所有権留保されたまま使用者が亡くなると、所有権はディーラーになるので、その車は相続財産にはなりませんね。
情報屋先生
情報屋先生
所有権留保で車を購入した場合は、売買代金を全額支払い終わったら、所有権解除の手続きをして所有者を購入者にする必要がありますね。
誠実先生
誠実先生
そうですね。もし所有権留保を解除しないままにしておくと、所有者であるディーラーが倒産してしまうといった事態が起きた時に、面倒なことになりますね。
電卓先生
電卓先生
車の名義変更をしたい場合に、所有者が倒産してしまっていた場合には、その法人の代表者と連絡が取れれば名義変更の手続きに必要な対応を求めることも出来るかもしれませんが、夜逃げ同然のような倒産で連絡が取れない場合は、最終的には裁判手続きによって名義変更を検討する必要もでてきますね。
六法先生
六法先生
倒産した法人が清算手続き中だった場合は、破産管財人に対して所有権解除の申し入れをすると対応して貰えるだろうけど、いずれにしても、そういった事態を避けるためには、ローン完済後は早めに名義変更の手続きをすることが大切ですね。

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