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相続・終活

普通養子縁組届出の具体的手続き:どこに届出る?[相続・終活の基礎知識]

相続終活9普通養子縁組の届出と裁判所許可

普通養子縁組は、戸籍上の現在の親との関係を継続したまま、2重の親子関係を作り出す養子縁組のことをいいます。

これに対して、戸籍上の現在の親との関係を断絶し、真っ新な親子関係を作り出す養子縁組を”特別養子縁組といいます。

普通養子縁組は、市区町村役場へ養子縁組届書を提出し、受理されることで成立します。

誠実先生
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「誠実先生の相続・終活の基礎知識」シリーズ。今回は、「普通養子縁組届出の具体的手続き」について解説します。

養子縁組届書の届出人・届出場所・必要書類

届出人は、養親および養子です。養子が15歳未満の場合は、縁組の承諾をした法定代理人が養子に代わって届出人となります。

届出場所は、養親又は養子の本籍地又は所在地の市区町村役場です。

尚、養子縁組届に係る手数料は無料です。

誠実先生
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必要書類は、以下になります。

①養子縁組届書
養子縁組届書は、提出する市区町村役場の窓口で取得できます。また、自治体によってはホームページから書式をダウンロードすることも可能です。

尚、市区町村によって多少の様式の違いがある場合がありますが、基本的には養子縁組届書の様式は全国共通です。提出先の市区町村のホームページからダウンロードできない場合は、他の市区町村のホームページでダウンロードしたものを使用しても構いません。

ダウンロードした用紙は、A3サイズでプリントアウトして使用します。

届出人の署名押印欄には、届出人が自署し、認印(実印でも可。シャチハタは不可)で押印します。

参考:大阪市の養子縁組届書の様式(PDF)

養子縁組届書には、証人として成人2名による署名押印が必要です。

②養親・養子の戸籍全部事項証明書
養親・養子の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が必要ですが、届出先の市区町村に本籍がある場合は、戸籍謄本は不要です。

自分の本籍地が分からない場合は、住所のある市区町村役場で「本籍地記載の住民票の写し」を取得して確認することができます。

③届出人の本人確認書類
運転免許証やパスポート等の、届出人が本人であることが分かる書類が必要です。

④家庭裁判所の許可書の謄本(養子が未成年者、又は後見人が被後見人を養子にする場合のみ)
1.未成年者を養子にする場合は、未成年者の養子縁組に関する家庭裁判所の許可書(養子縁組許可審判書)の謄本が必要です。ただし、未成年者であっても、自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可書は不要です。

2.後見人が被後見人を養子にする場合は、後見人と被後見人間の養子縁組に関する家庭裁判所の許可書(養子縁組許可審判書)の謄本が必要です。

発展

後見人が未成年者である被後見人を養子にする場合は、「1.未成年者の養子縁組に関する家庭裁判所の許可書」と、「2.後見人と被後見人間の養子縁組に関する家庭裁判所の許可書」の両方が必要です。

⑤配偶者の同意書(養子又は養親に配偶者がいる場合のみ)
養子又は養親に配偶者がいる場合は、その配偶者の同意書が必要です。同意書に決まった形式はありませんが、以下のような内容で同意書を提出するのが一般的です。

誠実先生
誠実先生
養子縁組届書の基本的な必要書類は以上になります。不明な点は、市区町村町に問い合わせると丁寧に教えてくれます。また、ステイ法務でもご相談を承っておりますので、ご相談はお問い合わせページよりお問合せください。

家庭裁判所への許可申立て手続き(未成年者を養子にする場合)

未成年者を養子とする場合は、家庭裁判所の許可が必要※です。

※ただし、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は不要です。

誠実先生
誠実先生
未成年者を養子にする場合の家庭裁判所への許可申立て手続きについてみていきましょう。

申立人は、養親となる人です。申立先は、養子となる人の住所地の家庭裁判所です。(管轄の家庭裁判所一覧ページはこちら)

申立てに必要な費用は、申立書に貼付する収入印紙代800円分、申立書に添えて提出する連絡用の郵便切手代になります。必要な郵便切手の種類と枚数は、家庭裁判所によって異なりますので、申立て先の家庭裁判所へお問合せ下さい。

発展

後見人が未成年者である被後見人を養子にする場合は、「1.未成年者の養子縁組に関する家庭裁判所の許可申立て」と、「2.後見人と被後見人間の養子縁組に関する家庭裁判所の許可申立て」をする必要があります。収入印紙代は800円×2件分で1,600円になります。

また、養子となる未成年者が15歳未満の場合は、「特別代理人選任申立て」の手続きも必要になります。養子となる未成年者が15歳未満の場合は、法定代理人が未成年者に代わって養子縁組を承諾します。しかし、後見人は養子となる未成年者の法定代理人であるため、養親になる自分との養子縁組についての承諾を、後見人として自分が承諾することになり問題が生じるので、未成年者の承諾については特別代理人がすることになります。

必要書類

申立てに必要な書類は以下になります。

①申立書
申立書は、裁判所のホームページからダウンロードできます。こちらの裁判所のホームページの「書式のダウンロード」の項目から、「養子縁組許可申立書(PDF)」のリンクをクリックすると、PDF形式で申立書が表示されます。申立書は、A4サイズで印刷してください。

②養親・養子の戸籍全部事項証明書
養親・養子の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が必要です。

また、未成年者が15歳未満の場合は、代諾者(法定代理人)の戸籍謄本も必要になります。(未成年者と代諾者が同じ戸籍に入っている場合は、戸籍謄本は1通で大丈夫です。)

申立て後の手続き

家庭裁判所の許可は、審判によって行われます。普通養子縁組が出来る要件を満たしていることは当然のこととして、普通養子縁組するのに適切か否かを総合的(縁組の動機や経済的事情等)に判断して結果が出されます。

家庭裁判所は許可の判断をする際に、必要に応じて養親や養子・代諾者(法定代理人)に対して聴き取り調査や住居訪問等を行います。

普通養子縁組することに問題ないと判断され許可が得られると、家庭裁判所から「養子縁組許可審判書」という書類が貰えます。この審判書が、市区町村役場へ養子縁組届書を提出する際の必要書類になります。

普通養子縁組届出手続に関する司法書士と税理士の会話

誠実先生
誠実先生
養子縁組の届出時に親族関係が発生し、戸籍に記載されますが、実親との親族関係が終了するわけではないよね。ですが、未成年を養子とする場合は、親権は養親へと移るので注意が必要ですね。
電卓先生
電卓先生
現実に未成年者を養子にする事例は、孫養子(自己の直系卑属を養子とする)や連れ子養子(配偶者の直系卑属を養子とする)が多いように思われるので、家庭裁判所の許可が不要になる場面も結構ありますね。
情報屋先生
情報屋先生
縁組の実体がないのに普通養子縁組の許可申立がされた場合(例.養親の家名を継ぐ目的だけの養子縁組)は、許可がされなかったという判例があるよね。家庭裁判所は普通養子縁組するに値する理由があるか、きちんと調べて判断しているね。
六法先生
六法先生
養子縁組は法律に基づいて”親子関係を成立させる”制度で、上記以外の収入面などの制限等はありません。しかし親権を持つ、また扶養義務が生ずるという、互いに権利義務が発生しますからそこまで考えて利用すべき制度ですね。

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