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相続・終活

遺言書の検認とは?~目的、必要書類及び手続について[相続・終活の基礎知識]

相続終活20検認

誠実先生
誠実先生
今回は遺言者の死亡後の手続きである、「検認」について解説していきます。
電卓先生
電卓先生
相続人等は公正証書遺言と自筆証書遺言の一部※を除き、家庭裁判所に検認の請求をしなければなりませんね。

※令和2年7月10日から、自筆証書遺言を法務局に保管できるようになりました。この制度についてはこちらの記事にて紹介しています。

検認の参考条文

民法1004条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。

検認の目的

検認は次の二つのことを目的とし、遺言書の保管者等の請求によって家庭裁判所で行う手続きです。

  1. 相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせること。
  2. 遺言書の内容を明確にし、その後の偽造・変造を防止すること。

 

②について補足すると、家庭裁判所で明確にする”内容”とは、あくまで遺言書の形状、加除訂正の状態※、日付、署名などを指すのであって、遺言の有効性について判断されるものではありません。

※遺言書の加除・訂正に関する参考条文

民法968条3項 自筆証書遺言中の加除その他変更は、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

申立ての準備~申立て手続き

1. 申立人

申立人は、次の方がなります。

  • 遺言書の保管者
  • 遺言書を発見した相続人

 

誠実先生
誠実先生
遺言書が封に入っている場合、検認手続きの場で開封しなければ過料に処されるので、注意が必要ですね。
過料に関する参考条文

民法1005条 前条(遺言書の検認)の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。

2. 申立先

申立先は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。具体的な申立て先裁判所についてはこちらの裁判所のHPを参考にしてください。

3. 申立てに必要な費用

申立てに必要な費用は、申立書に貼付する収入印紙代800円分(※)、申立書に添えて提出する連絡用の郵便切手代になります。必要な郵便切手の種類と枚数は、家庭裁判所によって異なりますので、申立て先の家庭裁判所へお問合せ下さい。

(※)遺言書(封書の場合は封書)1通につき800円

4.申立てに必要な書類

誠実先生
誠実先生
必要書類をパターンごとに紹介していきます。前提として意識して頂きたいのは、検認は遺言者の相続人に知らせる事を目的とすること。つまり相続人を確定する為の書類が必要になってくる、という点です。

必ず必要となるもの

  1. 申立書
  2. 遺言者の出生から死亡時までの戸籍謄本
  3. 相続人全員の戸籍謄本

 

申立書こちらの裁判所のホームページの「書式のダウンロード」の項目から、「家事審判申立書(PDF)」のリンクをクリックすると、PDF形式で表示されます。A4サイズで印刷し、以下を参考に記入してください。

<申立ての趣旨の例文>
遺言者の自筆証書による遺言書の検認を求める。

<申立ての理由の例文>
一、申立人は、遺言者から令和1年7月ごろに遺言書を自宅金庫にて保管する旨を伝え聞いた。
二、遺言者は令和2年7月1日に死亡しましたので、封印されている遺言の検認を求める。
三、相続人は別紙の相続人目録に記載したとおり。

A  遺言者の子(及びその代襲者)が既に亡くなっている場合

に加えて

遺言者の子(及びその代襲者)の出生から死亡時までの戸籍謄本

B  相続人が遺言者の父母・祖父母等(直系尊属)の場合

検認(直系尊属祖父母)
に加えて

遺言者の子(及びその代襲者)の出生から死亡時までの戸籍謄本

遺言者の直系尊属で既に亡くなっている方がいる場合は、その方の死亡の記載のある戸籍

C  相続人が不存在の場合、遺言者の配偶者のみの場合又は遺言者の兄弟姉妹およびその甥姪(代襲者)の場合

に加えて

遺言者の子(及びその代襲者)の出生から死亡時までの戸籍謄本

遺言者の父母の出生から死亡時までの戸籍謄本

遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本

遺言者の兄弟姉妹で既に亡くなっている方がいる場合は、その方の出生から死亡時までの戸籍謄本

代襲者として甥姪で既に亡くなっている方がいる場合は、その方の死亡の記載のある戸籍謄本

誠実先生
誠実先生
Cのようなパターンになると、ご自身が知らない相続人がでてくることもあります。こういった場合、専門家にご相談されるのもよいかと思います。

申立て後の手続き等

1. 申立て後~検認日までの手続き

検認日は通常、申立て日から2週間~1か月前後で組まれることが多いようです。

検認は相続人に立会いの機会を与える為のものですから、家庭裁判所は相続人全員に通知をします。但し、検認日に相続人全員が立ち会う必要はありません。

情報屋先生
情報屋先生
私が業務で受けたときは、裁判所から検認日候補の通知があり、申立人と話し合って、その中から都合の良い日程を選択しました。

検認日決定後、家庭裁判所から検認日、必要書類等の通知が来ます。

通常、必要書類は以下の通りです。

  1. 遺言書
  2. 印鑑(検認申立書に押印したもの)
  3. 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
  4. 印紙150円分

 

2. 検認日の手続き

検認日には、出席した相続人の立会いの下、遺言書を開封します。

遺言書の形状等の内容を確認したのち、家庭裁判所に検認済証明書の申請をすることで、当該遺言書に証明書が付されます(150円印紙必要)。

遺言の執行をするには検認済証明書が付されていることが必要になってきますので、検認済みの遺言書とともに、こちらも大切に保管しましょう。

情報屋先生
情報屋先生
検認日には裁判官と書記官によって保管状況などの確認作業が行われ、検認後に検認調書が作成されます。

検認についての司法書士の会話

誠実先生
誠実先生
検認を行う日は裁判所から相続人全員にたいして通知がされます。疎遠になっている相続人にも通知されてしまうので、それを嫌がって公正証書を選ぶ方もおられますね。
電卓先生
電卓先生
検認は遺言書の実体上の効果を判断するものではないため、検認を経ていなくても遺言の効力に影響はありません。しかしながら、検認を経ていない遺言書は各手続において使用することができないため、実質的に遺言の効果を達成することができません。遺言を発見したときは速やかに検認手続をとりましょう。
情報屋先生
情報屋先生
検認を経ていない自筆証書遺言では、被相続人名義の預金口座の解約や名義変更、不動産の名義変更手続きができませんね。被相続人が相続人等に検認をする手間を省かせるには、自筆証書遺言を法務局に保管して貰ったり、公正証書で遺言を残すといった方法がありますね。
六法先生
六法先生
遺言は遺言者が残された遺族等に向けて作成するものですから、その意思が正確に伝わるための手続きの一つが検認ということですね。過料の規定もありますから、遺言書を発見した方は正確に手続きを行って欲しいですね。

 

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